本研究は、中核市における保健師の受持ち地区の状況や業務体制、活動実績から、中核市保健師活動の効率的かつ効果的な体制整備を検討し、保健師活動の発展と課題について明らかにすることを目的とした。 全国の中核市を対象とする調査の実施と、代表的な中核市に対して現地調査を計画し、中核市保健師の保健師配置や受持ち地区の規模、業務体制などの条件、中核市移行後の保健師活動実績の変遷、中核市の行政組織における保健師の配置状況、保健師の業務体制、受持ち地区の人口規模や面積などの地理的条件、保健センターや公民館など保健師の活動拠点と対象とのアプローチ条件を調査・検討した。 全国保健師長会の協力を得て調査を実施し、中核市保健師の活動体制の類型化にむけて、配置部署別の業務内容・地区受持ち状況の内容などについての条件を明らかにし、調査報告書を作成した。代表的な中核市に対する現地調査からは、政令市から中核市へ移行した市、地域保健法により平成8年以降新たに中核市となった市で、業務体制・地区の受持ち状況が異なり、それにともなって体制上の課題にも特徴があることが示唆された。
|