研究課題/領域番号 |
18592430
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
地域・老年看護学
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研究機関 | 横浜市立大学 |
研究代表者 |
服部 紀子 横浜市立大学, 医学部, 准教授 (10320847)
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研究分担者 |
島田 今日子 横浜市立大学, 医学部, 助教 (80406868)
長田 久雄 桜美林大学, 大学院・国際学研究科, 教授 (60150877)
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研究期間 (年度) |
2006 – 2007
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キーワード | 前期高齢者 / 自我統合性 / 発達課題 / 生き方 |
研究概要 |
一般的に多くの高齢者が長い老年期を獲得した現在、身体的衰退を防ぐだけでなく、心理社会的発達を支える視点は、「意味のある老年期を生きる」ために非常に重要である。老年期の課題である「自我の統合」の獲得状況について研究の蓄積は少ない。獲得に関連する要因を現在の生き方、中年期から現在に至る発達課題達成状況の視点から明らかにし、心理社会的発達への支援の視点を見いだすことを目的とした。 調査協力者は某同窓会名簿から無作為抽出した50歳から74歳までの中年期から前期高齢期にある男女4000人で、調査票を郵送し回答を求めた。「自我統合性」の達成感覚をEPSI尺度の総得点、現在の生き方はMorrisの生き方尺度をもとに質問項目を作成、発達課題達成感はニューマン等をもとに質問項目を作成し用いた。 結果、1512人から回答が得られ、有効回答数1502であった。自我統合感は中年期(50-64歳群)に比べ、前期高齢期(65歳-74歳群)が有意に高く、その影響は男女で異なり男性は年齢群による差はなく、女性では中年期に比べ前期高齢期の得点が高くなる傾向にあった。自我統合性の達成感覚に影響を及ぼしている要因を分析した。その結果、自我統合性の達成感覚は、中年期および老年期の発達課題達成感覚と密接な関係が認められた。年代、性別に関わりなく共通であり、かつ大きく自我統合感へ影響を与えていた要因は、中年期発達課題である「若者によい大人としてのモデルを示してきた」、老年期発達課題「自分の人生に誇りをもっている」、「自分から物事に働きかける生き方」であった。中年期では、「何事にも積極的に活動する生き方」、前期高齢期では老年期発達課題である「これまでの人生を受け入れている」が影響要因として認められた。老年期における自我統合感獲得に向け、中年期、前期高齢期にある人々が獲得すべき発達課題、生き方を促進する取り組みが求められる。
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