1.目的 本調査の目的は、在宅で療養生活を送る胃瘻創増設高齢者の、死亡までのプロセスを把握し、訪問看護師が着目している身体徴候を明らかにすることである。 2.方法 2007年12月現在、全国訪問看護事業協会の正会員名簿に記載されている全国2579の訪問看護ステーションのうち20%無作為で抽出した524機関に対し、2008年2月、質問紙調査を実施した。胃瘻造設高齢者の担当経験のある訪問看護師を回答者とし、1機関4通の調査票を送付したところ、422人の返信を得た。 3.結果の概要 ・422人中、過去1年間に死亡した胃瘻造設高齢者を担当していた者は151人(35.8%)であった。このうち、65.5%は、ケースを担当したとき、すでに胃瘻を保有しており、胃瘻造設から死亡まで3年以上に及ぶものが35.8%であった。 ・死亡前1年に見られた身体徴候で多いのは、嚥下困難、痰の増加、瘻孔部のスキントラブル、死亡前1週間では、便秘、発熱、浮腫、褥瘡、拘縮、喘鳴、痰の増加、であった。
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