研究課題/領域番号 |
18592432
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 新潟県立看護大学 |
研究代表者 |
小林 恵子 新潟県立看護大学, 看護学部, 助教授 (50300091)
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研究分担者 |
福島 道子 日本赤十字看護大学, 看護学部, 教授 (40201743)
北岡 英子 神奈川県立保健福祉大学, 保健福祉学部, 講師 (10249063)
島内 節 国際医療福祉大学, 小田原保健医療学部, 教授 (70124401)
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キーワード | 子ども虐待 / 地域看護 / 保健師 / 評価 |
研究概要 |
【目的】保健師が行った子ども虐待事例のケアを評価し、有効なケアと事例の変化について明らかにした。 【方法】1.研究対象及び方法:保健師が子ども虐待支援を行った結果、虐待等が悪化せず、維持・改善がみられた事例について、自記式質問紙調査を実施した。調査項目は次のとおりである。(1)把握時・現在またはケア終了時点の「虐待状況(虐待重症度、虐待行為)」「家族生活力量アセスメントスケール(家族ケア研究会が開発したスケールであり、家族が健康生活を営む能力を測定することを目的とし、9領域60項目から成る)」「社会資源(制度・サービス)活用状況」、(2)「保健師のケア内容(先行研究及び研究者らが帰納的に抽出した研究成果を用い、70項目から成る)」を「十分に行った」「行った」「行わなかった」「全く行わなかった」「非該当」で回答を得た。 2.倫理的配慮:新潟県立看護大学の倫理委員会の承認を得た。 3.分析方法:有効回答52例について、2時点(虐待事例把握時、ケア後)の「虐待状況」「家族生活力量」「社会資源」の変化と保健師及び他職種のケア内容との関連について分析した。分析にはSPSS ver.11.0J for Windowsを用いた。 【結果】1.属性:回答した保健師の年齢は平均36.3歳(SD±7.64歳)、保健師職歴は平均11.8年(SD±7.51年)。 2.子ども虐待の支援経験:子ども虐待支援経験年数は、平均4.4年(SD±2,90年)。 3.保健師が行ったケア内容:「十分に行った」割合が高かった項目は「被虐待児の成長発達を確認した」32名(54.2%)、「保健師が味方であることを伝えた」24名(40.7%)、「出来ているところをほめた、認めた」23名(39.0%)であった。 4.支援による事例の変化:Wilcoxonの符号付き順位検定によると、保健師のケア後ではケア前と比較し、「虐待の重症度」「虐待行為の数」「子どもの症状の数」「社会資源数」「家族生活力量」で有意に改善が見られた。 5.「家族生活力量」の改善とケアとの関連:「住居環境の把握」「日常生活関係・生活リズム・衣・食・医療・教育)の把握」「家族の生活史の把握」「被虐待児の成長発達の把握」などを、「十分に行った」群に家族生活力量の各領域の改善がみられた。
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