研究概要 |
【目的】保健師が実施した子ども虐待事例のケアと事例の変化を分析し、有効なケアについて明らかにする。【方法】1.研究対象及び方法:保健師が支援した子ども虐待事例について、自記式質問紙調査を実施。調査項目は(1)把握時・現在(ケア終了)時点の「虐待状況(虐待重症度、虐待行為)」「家族生活力量アセスメントスケール(家族ケア研究会が開発したスケール:家族が健康生活を営む能力を測定することを目的とし、9領域60項目から成る)」「社会資源(制度・サービス)活用状況」、(2)「保健師のケア内容(18年度の予備調査のち修正した43のケア項目から成る)」。2.倫理的配慮:新潟県立看護大学倫理委員会の承認を得た。3,分析方法:各事例にっいて2時点(虐待事例把握時、ケア後)の改善度(「虐待状況」「家族生活力量」「社会資源活用」等の変化)と保健師のケア内容との関連について分析。分析にはSPSS ver.16.0J for Windowsを駕いた。【結果】1.属性:回収数は205例。回答した保健師の平均年齢37.6歳(SD±7.41歳)、保健師職歴は平均13.9年(SD±7.59年)。子ども虐待支援事例数は5例以下が44.4%。2.保健師が行ったケア内容:行ったケア内容を虐待改善群と非改善群で比較すると、改善群で「十分に行った」割合が有意に高かったケア項目は、「子どもの安全を確認したま「子どもの成長発達を支援した」「子どものこころの回復を図るようにした」の『子どもの安全と成長発達の支援』、「自分が出来ているところを気づくことができるようにした」の『育児負担・生活ストレスの軽減』、「他の家族成員に問題解決のための協力を要請した」の『家族の調整』、「問題解決に必要な社会資源を紹介した」「社会資源導入のために必要な支援をした」「キーパーソンに社会資源導入を説得した」の『社会資源の導入と調整』であった。
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