研究課題/領域番号 |
18592433
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
地域・老年看護学
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研究機関 | 金沢医科大学 (2007) 石川県立看護大学 (2006) |
研究代表者 |
北岡 和代 (東口 和代) 金沢医科大学, 看護学部, 教授 (60326080)
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研究分担者 |
荻野 佳代子 早稲田大学, 女性研究者支援総合研究所, 准教授 (20308159)
増田 真也 慶應義塾大学, 看護学部, 准教授 (80291285)
中川 秀昭 金沢医科大学, 医学部, 教授 (00097437)
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研究期間 (年度) |
2006 – 2007
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キーワード | バーンアウト / Maslach Burnout Inventory / MBI-GS / 産業保健 / ストレス / 企業損失 / 縦断研究 |
研究概要 |
研究代表者らが翻訳作成したバーンアウト測定尺度である日本版Maslach Burnout Inventory-General Survey(MBI-GS)のカットオフ・ポイントを日本人集団5621名から算出した。次に、Brenninkmeijer & Van Yperenが提唱している"疲弊感"得点+1基準を採用し、日本人のバーンアウトレベルを定めた。結果、"疲弊感"得点3.60点以上+"シニシズム"得点2.20点以上、または"職務効力感"得点1.83点以下をバーンアウトしている者とした。 対象企業から得られたアウトカムとしての変数は身体的健康変数であった。そのため、労働者のバーンアウトが4年後の身体的健康におよぼす影響を追跡的に検討した。 某製造企業に勤務する男性中間管理職者329名を追跡した。上記に示した研究成果より、ベースライン時の対象のバーンアウトレベルを判別した。39名がバーンアウト群となり、290名が非バーンアウト群であった。4年後、バーンアウト群のほうが(a)ウエスト、体重、BMIの変化量が有意に大きかった。(b)総コレステロール値の変化量が有意に大きい傾向にあった。(c)ヘモグロビンやフィブリノーゲン値の変化量が有意に大きかった。これらの結果は年齢、BMI、生活習慣要因(喫煙、飲酒、運動)を調整しても同様であった。(d)血圧や耐糖能異常への影響は見られなかった。すなわち、長期かつ持続的に職場ストレッサーに暴露した結果としてのバーンアウトは、動脈硬化性疾患のリスク要因である可能性が示唆され、従業員の身体的健康に影響を及ぼしていると考えられた。この結果は休職や離職につながるリスクともなり、大きな企業損失である。バーンアウト予防のための介入研究を行っていくことが今後の研究課題と考えられた。
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