1.町保健師の実践上の課題と連動させて、実習(単独訪問実習、卒業研究実習)を行うことが、学生の学びや学習環境にどのように影響を及ぼしたのかを、2町(各1事例)について調べた。 その結果、実習環境においては、臨地実習指導者の指導の充実が図られ実習内容が充実していること、学生においては、単独訪問実習では、個人・家族への援助、個別の援助から地域を対象とした援助のつながりを学べていること、卒業研究実習では、自らが課題解決の取り組みに関与していたと実感し実習の達成感も高まると同時に、グループへの支援や地域ケア体制、連携・協働について学べていることなど、課題に連動させて実習をすることは効果的であり、さらによりよい実習方法について検討することができた。 2.共同研究に取り組む看護系大学教員と行政保健師との協働実践について、教員と保健師をペアにした聞き取り調査を、前年度に引き続き3事例実施した。共同研究のきっかけは様々であり、それによって、教員と保健師とが協働する方法も異なるのであるが、教員が関わる意義として共通するものがあった。 3.行政保健師による地域の健康課題の解決を図る方法について文献検討を行い、保健師が取り組んだ地域の課題とその理由となる保健師の判断を読み取り記述し、保健師が目指したこと、活動の成果、課題に対する実践方法について内容分析した。行政に所属する保健師には、多様化・複雑化している地域の健康課題を主体的に捉えて活動の展開を図ることが求められており、今回の分析結果を基に、保健師のどのような実践方法を、どのように、今後強化すべきか検討していくことが重要であると考える。
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