研究課題/領域番号 |
18592438
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研究機関 | 大阪府立大学 |
研究代表者 |
白井 みどり 大阪府立大学, 看護学部, 教授 (30275151)
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研究分担者 |
臼井 キミカ 大阪市立大学, 医学部, 教授 (10281271)
今川 真治 広島大学, 大学院・教育学研究科, 准教授 (00211756)
荻野 朋子 四日市看護医療大学, 看護学部, 講師 (40241210)
長畑 多代 大阪市立大学, 看護学部, 准教授 (60285327)
北村 有香 大阪市立大学, 看護学部, 助教 (10438236)
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キーワード | 認知症高齢者 / 座位姿勢 / 行動分析 / 下肢周径 / 車いす / いす |
研究概要 |
1.研究の目的 歩行困難な認知症高齢者の座位姿勢の適正化に向けたケア指針を作成し、指針に基づくケアを提供し太際の効果を検証する。 2.研究の方法 1)18年度実態調査に基づくケア指針の作成と介入方法の検討 実態調査の結果から、座位姿勢、座位時の行動特性等の項目からなるケア指針を作成した。作成にあたり、高齢者のシーティングおよび工学的な研究経験を有する理学療法士、義肢装具士の助言を得た。 介入方法はいす座位が可能と判断した場合は身体寸法などを勘案しだ背クッションと足台を作成し使用、いす座位が不可能と判断した場合はモジュラー型車いすを購入使用した。また臥床時間を午前・午後に提供した。 2)ケア指針に基づく介入効果の検証 (1)研究デザインは、ケア指針に基づく介入方法を决定する基礎水準測定期、介入を開始する操作導入期、操作導入期から1ヵ月後の追跡期の3期からなるシングルケースズタディとした。 (2)データ収集は各期連続2日間について、ビデオカメラによる行動観察(7回/日)、デジタルカメラによる姿勢撮影と下肢周径の測定(4回/目)を行った。また、身体計測、調査票に基づく健康状態等のデータ収集を行った。 3.結果 対象者は7名で、いずれも標準型車いすを使用する認知症高齢者であった。ケア指針に基づき、4名にはいすを、3名にはモジュラー型車いすを提供した。いずれの介入においても安全性は確保できた。操作導入期と追踪期では、基礎水準測定期と比較して、体幹の傾きの軽減、姿勢保持・修正に関わる行動の増加、摂食行動などの改善がみられ、また下肢周径の改善がみられる者もいた。 4.まとめ 1)介入を行った結果、いずれの対象者も座位姿勢が改善し、ADL能力の向上が確認できた。 2)今後は倫理的に支障のないように配慮しながら、映像を用いたよりわかりやすいケア指針を完成させる。
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