研究課題/領域番号 |
18592445
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 和歌山県立医科大学 |
研究代表者 |
柳川 敏彦 和歌山県立医科大学, 保健看護学部, 教授 (80191146)
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研究分担者 |
加藤 則子 国立保健医療科学院, 研修企画部, 部長 (30150171)
上野 昌江 大阪府大学, 看護学部, 教授 (70264827)
平尾 恭子 大阪府立大学, 看護学部, 講師 (20300379)
山田 和子 和歌山県立医科大学, 保健看護学部, 教授 (10300922)
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キーワード | 児童虐待 / ペアレンティング / ランダム化比較試験 |
研究概要 |
【目的】(1)幼児期にある子どもの親を対象に、子育てに対する親の意識や精神状態、子どもの問題行動への対処方法、親自身のセルフケア等に関する調査を実施し、わが国の子育ての実態を明らかにする。(2)育児支援プログラムによる教育的介入を行い、プログラムの有用性を検証する。(3)地域に育児支援プログラムを普及するための基盤づくりを行う。 【研究方法】研究内容は、以下の3点りである。なお、対象地域は和歌山、大阪(2カ所)、神奈川県の計4ケ所である。(1)子育てに関する質問紙による地域実態調査(2)トリプルP啓発の講演会の実施(3)トリプルPによる介入 【結果】(1)母親の12.5%で子育ての困難さを感じ、子育て中に抑うつ気分、不安、ストレスを感じる母親が、それぞれ8.7%、8.0%、12.3%であった。また自己評価として子どもに虐待をしていると感じる母親も13%に認められた。(2)啓発運動の一環として、トリプルPの開発者であるマット・サンダース教授の講演会を和歌山市、田辺市において開催し、母親、子どもの専門家など、計200人が参加した。(3)介入前後の比較において、多くの子育てスキルの有用性が示され、プログラムに対する満足度も高いという結果が得られた。またプログラム参加を機会に母親同士の仲間作りも促進された。 【考察】 子度立ての困難さ、抑うつ気分、不安、ストレスを感じている母親あるいは、わが子を虐待しているのではと感じる母親が少なからず存在することが判明した。トリプルPという子育て支援プログラムの実施により、子育てスキルにおいて有用性が示され、さらに子どもへの養育態度や子どもの行動等に関して効果がみられた。
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