研究課題/領域番号 |
18592448
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研究機関 | 神戸市看護大学 |
研究代表者 |
高山 成子 神戸市看護大学, 看護学部, 教授 (30163322)
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研究分担者 |
渡辺 陽子 (半田 陽子) 県立広島大学, 保健福祉学部, 助手 (20364119)
大津 美香 (菊池 美香) 青森県立保健大学, 看護学科, 助手 (10382384)
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キーワード | 認知症高齢者 / BOSD / 認知症の種類 / 看護 |
研究概要 |
平成19年度は、福井市の1病院と広島県三原市の1施設で、入浴困難、収集癖、俳徊8名の調査を行った。内訳は入浴困難2名と、収集癖5名、俳徊1名(重度アルツ)である。 昨年度の入浴困難の検討に引き続き、8月(神戸)に収集癖2例比較と入浴行動2例の比較、3月(神戸)に俳徊1例のデータ分析を行った。その結果、中等度・男性のADとnon-AD各2例の収集行動で共通した点は(1)収集物品はAD・VaDともに固定している、(2)保管場所はAD・VaDとも身近、であった。相違点は(1)収集物品の認識(使用目的)はADでは他者から見て不明瞭な場合もあるがVaDは明瞭である、(2)収集場所の認識はADは誤っているがVaDは正確であるの2点であった。入浴行動の軽度・女性の2例の比較では、共通点は(1)入浴拒否理由として施設入所の認識がないためか「お金がない」という、(2)大声あげて抵抗していても湯船に入ると「気持いい」であった。相違点は、(1)入浴拒否の理由としてnon-ADでは過去のいやな入浴経験が関連しているが、ADでは「家で入ってきた」など現実的に合わないことが理由となる、(2)non-ADではわからないことで混乱するが、ADではわからないままに行動したり、されるままになっていたり、聞いたりする、(3)non-ADは「いやだ」という気持ちを継続するが、ADは何気ない一言で気持ちが変わる、であった。このことから、non-ADでは、同じ重症度でもADに比べ現実的な理由による意味付けや行動認識が残されており、対応の時には話題をそらせるより納得のゆく説明が必要であるなどの援助方法が導き出された。 平成20年度の課題は、今年度の検討過程で、重症度とともに性別の違いが行動に大きく左右することが示されたもののそれに該当したのは入浴1組、収集癖1組のみであったことから、対照比較できる対象者を追調査して検討することである。
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