• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2008 年度 実績報告書

脳卒中退院患者からみた在宅療養生活開始時の課題

研究課題

研究課題/領域番号 18592457
研究機関東邦大学

研究代表者

美ノ谷 新子  東邦大学, 医学部, 准教授 (20299986)

キーワード脳卒中退院患者 / 施設療養者 / 施設移行 / うつ傾向 / 退院準備実施 / 施設待ち / アンケート調査
研究概要

3年間の研究計画に沿って、3年目は脳卒中退院後余り日を経ずして施設入所した療養者にインタビュー調査を
実施した2年目の調査結果の分析とまとめを行った。
首都圏の施設療養者調査から以下のことが明らかになった。
1.施設入所者の入所前の入院期間は平均217日で、脳血管疾患の平均在院日数105.3日より長く、入所までの
期間の0日が45人(86.5%)を占めた。
2.入院中に施設移行の選択をしたのは在宅へ戻った場合の不可能や困難を予測した結果と推察された。
3.施設入所者の約半数はうつ傾向があると回答し、うつ傾向の本人が退院準備意欲のないまま、本人以外の意
向を優先して施設移行したと推測された。
4.退院後に予測する困難や退院準備意欲のある者ほど退院前の心配のある者が多かったが、退院準備意欲のあ
る者に退院準備実施が多いわけではなかった。
5.本入と家族の退院前の心配の有無に有意な差はなかったが、心配内容には相違がみられた。
以上から施設待ちが入院期間の長期化を招き、退院と同日の施設入所の開始が示された。うつ傾向の本人の準
備意欲のない中で、在宅療養の不可能や困難を予測して施設入所の選択をしており、本人以外の意向が働いていることが懸念された。入院中に施設移行を決定することが、本人や家族の退院準備を阻止していると推測できた。退院後施設移行した後も本人の主体的な療養生活を実現するために、本人と家族の退院前の心配内容は相違する
ことから、本人の主体性を尊重した退院後生活の話し合いの仕組みつくりと入院中の移行場所の決定は慎重にすることの必要性が示唆された。

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2009 2008

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (4件)

  • [雑誌論文] 脳卒中退院患者からみた在宅療養生活開始時の現状と課題2008

    • 著者名/発表者名
      美ノ谷 新子
    • 雑誌名

      順天堂医学 54

      ページ: 73-81

    • 査読あり
  • [学会発表] 脳卒中退院後施設療養へ移行した患者の退院指導とかかりつけ医の変化2009

    • 著者名/発表者名
      美ノ谷新子、福嶋龍子、杉本正子
    • 学会等名
      第34回日本脳卒中学会総会
    • 発表場所
      島根県民会館
    • 年月日
      2009-03-22
  • [学会発表] 脳卒中退院時における退院準備の在宅療養者と施設入所者での相違2008

    • 著者名/発表者名
      美ノ谷新子、福嶋龍子、杉本正子
    • 学会等名
      第28回日本看護科学学会
    • 発表場所
      福岡国際会議場
    • 年月日
      2008-12-14
  • [学会発表] 脳卒中退院後施設療養へ移行した患者の退院前の心配と準備2008

    • 著者名/発表者名
      美ノ谷新子、福嶋龍子、杉本正子
    • 学会等名
      第73回日本民族衛生学会
    • 発表場所
      パシフィコ横浜会議センター
    • 年月日
      2008-10-26
  • [学会発表] 脳卒中退院後施設療養へ移行した患者の特徴-療養者の背景から-2008

    • 著者名/発表者名
      美ノ谷新子、福嶋龍子、杉本正子
    • 学会等名
      第13回聖路加看護学会学術大会
    • 発表場所
      聖路加看護大学
    • 年月日
      2008-09-27

URL: 

公開日: 2010-06-11   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi