研究概要 |
老人性認知症疾患専門病院で認知症ケアに関わる看護職と介護職(以下専門職とする)114名を対象として自記式質問紙で集合調査を行い,94名(回収率82.5%)から回答を得た。 専門職94名中,女性74名(78.7%),男性19名(20.2%),不明1名(1.1%)であり、職種別では看護職42名(44.7%),介護職52名(55.3%)であった.全体の平均年齢は35.87歳,看護職37.74歳,介護職34.3歳であり、現職以前に認知症高齢者の看護・介護に関わった経験があるものは58名(61.7%)であった. SD法で調査した項目をみると、両職とも肯定的イメージでは「愛らしい」、否定的イメージでは「感情的」を最も強く捉えていた。看護職のイメージは全体的に肯定的イメージに傾いており、認知症高齢者を「あたたかい」,「動的」と捉え、一方で否定的イメージとしては、「保守的」、「依存的」という言葉が聞かれた。介護職のイメージをみると、肯定的イメージや否定的イメージには差がなく、「素直な」「幸福」という肯定的な言葉、「非生産的」「内向的」という否定的イメージが聞かれた。両職の共通項を見出すと、看護職も介護職も肯定的イメージは「愛らしい」、否定的イメージは「憎らしい」が多く聞かれていた.現在は、専門職にインタビューした内容(認知症の捉え方)と施設で参加観察を行った両職の連携体制について、場面を振り返りながら内容分析を行っている。
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