<研究目的>本年度は、他県の難病患者の災害準備について把握するため、他県の難病連に協力をお願いし、同意が得られた三重県の難病相談支援センターに依頼し、2600部のアンケートを配布した。(プライバシー保持のため用紙や封筒や切手を貼付し、宛名のみタックシールで難病支援相談センターや各患者団体に貼っていただくようにした。) <結果>1012部返信をいただいた(回収率38.9%)。そのうち災害準備についての未記入があるものを除いた数は877部であった(回答率33.7%)。様々な患者団体からの回答のため、難病の種類も74種類中、38種類から回答をいただいた。最も多い疾患は、パーキンソン病で85名(9.7%)悪性関節リウマチ63名(7.2%)であった。災害時の支援として、家族・親戚の支援がある人が687名(78.4%)いた。災害準備について、耐震対策をしている人は、279名(31.8%)であった。薬を備蓄している人は、144名(16.4%)であった。3日以内の水の備蓄をしている人は、390名(44.5%)であった。食料の3日以内備蓄している人は、408名(46.6%)であった。災害時の不安について「ある」と答えた人は597名(68.2%)であった。その他備蓄や災害準備をしていない人の自由回答では、「水はいつでも確保できると考えている」「余裕がない」「町内会が解散した」「病名を知られたくない」などの意見があった。災害時に求める支援について「安否確認」「洋式トイレの確保」「避難時の手伝い」「身内への連絡」などがあり、災害ボランティアについて、「必要性がある」と答えた人は609名(69.5%)で、内容は「運搬」「生活全般援助」「片付け」などであった。さらに難病患者の意見を取り入れ、外部バッテリーやハザードマップ画像を入れたマニュアルを作成した。
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