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2006 年度 実績報告書

肝細胞増殖因子(HGF)によるポリグルタミン病の治療開発

研究課題

研究課題/領域番号 18599002
研究種目

特別研究促進費

研究機関名古屋大学

研究代表者

足立 弘明  名古屋大学, 大学院医学系研究科, 研究員 (40432257)

研究分担者 祖父江 元  名古屋大学, 大学院医学系研究科, 教授 (20148315)
田中 章景  名古屋大学, 大学院医学系研究科, COE特任助教授 (30378012)
船越 洋  大阪大学, 大学院医学系研究科, 助教授 (40273685)
キーワード肝細胞増殖因子 / 球脊髄性筋萎縮症 / トランスジェニックマウス / ダブルトランスジェニックマウス / アンドロゲン受容体
研究概要

肝細胞増殖因子(hepatocyte growth factor : HGF)は、初代培養肝細胞の増殖活性を指標に肝細胞増殖因子として我国において精製・クローニングされた増殖因子であるが、その後の研究発展によりHGFが多様な細胞を標的とし、その増殖、細胞移動、分化、生存作用、さらには器官形成・血管新生促進作用を持つことが明らかとなってきている。球脊髄性筋萎縮症(SBMA)は、アンドロゲン受容体(AR)遺伝子内のCAGリピートの異常延長により、運動ニューロンなどが特異的に変性死に陥るポリグルタミン病の一つであり、運動ニューロンが変性する。我々は、HGF高発現の治療効果を検討するために、HGFを高発現するトランスジェニックマウスとSBMAマウスとのダブルトランスジェニックマウスを作成することにより、HGFを高発現させ、神経栄養因子を用いた治療法開発の可能性を検討した。マウスモデルは、chicken β-actinプロモーターの調節下で異常延長したCAGリピートをもつヒトの全長のAR遺伝子を発現するトランスジェニックマウス(SBMAマウス)を用いた。SBMAマウスは、表現形に性差があり、進行性の運動障害を来たす。HGF高発現の効果を、体重変化、生存率、Rotarod法(一定の速度で回転する棒の上に,落下せずにつかまっていられる時間を測定)、Cage activity測定法(24時間のマウスの動作の回数の測定)、の4つのパラメーターを用いて解析した。HGF高発現により有意にマウスの運動機能、体重減少、生存率がすべて改善し、治療効果が認められた。HGFを高発現して治療効果を狙う試みが、SBMAモデルマウスで治療効果が確認できたことにより、この考え方をさらに広い範囲の神経変性疾患へ展開することが可能となってくると思われる。

  • 研究成果

    (6件)

すべて 2006

すべて 雑誌論文 (6件)

  • [雑誌論文] Mutant androgen receptor accumulation in SBMA scrotal skin : A pathogenic marker.2006

    • 著者名/発表者名
      Banno H
    • 雑誌名

      Ann Neurol 59

      ページ: 520-526

  • [雑誌論文] Pathogenesis, animal models and therapeutics in Spinal and bulbar muscular atrophy (SBMA).2006

    • 著者名/発表者名
      Katsuno M
    • 雑誌名

      Exp Neurol 200

      ページ: 8-18

  • [雑誌論文] Modulation of Hsp90 function in neurodegenerative disorders : a molecular-targeted therapy against disease-causing protein.2006

    • 著者名/発表者名
      Waza M
    • 雑誌名

      J Mol Med 84

      ページ: 635-646

  • [雑誌論文] Alleviating Neurodegeneration by an Anticancer Agent : An Hsp90 Inhibitor (17-AAG)2006

    • 著者名/発表者名
      Waza M
    • 雑誌名

      Ann N Y Acad Sci 1086

      ページ: 21-34

  • [雑誌論文] Reversible disruption of dynactin 1-mediated retrograde axonal transport in polyglutamine-induced motor neuron degeneration.2006

    • 著者名/発表者名
      Katsuno M
    • 雑誌名

      J Neurosci 26

      ページ: 12106-12117

  • [雑誌論文] 臨床医のための神経病理 球脊髄性筋萎縮症2006

    • 著者名/発表者名
      足立弘明
    • 雑誌名

      Clinical Neuroscience 24

      ページ: 974-975

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公開日: 2008-05-08   更新日: 2016-04-21  

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