研究課題
マウスにおいて大動脈縮窄による圧負荷心肥大モデルおよびアドレナリンβ受容体刺激薬イソプロテレノールの持続注入による頻脈モデルを作製し、その左心室よりcDNAライブラリーを得た。これを、Gαi3、GαSあるいはGα16を発現している酵母に導入し心肥大に関与するG蛋白活性調節因子の同定を試みた。スクリーンの結果、3種類の新たなG蛋白活性制御因子が同定された。現在までの検討で得られた結果を以下に示す。1)既報G蛋白活性調節因子であるAGS2、AGS3、RGS12の同定に加え、同一機能蛋白群に属する3種類の新規G蛋白活性調節因子の検出に成功した。なお、複数回にわたる既報G蛋白活性調節因子の検出はスクリーンシステムが正しく機能していたことを示した。2)興味深いことにこれら3種類の蛋白は機能的に相補性のある同一ファミリーの転写因子であった。興味深いことに、そのうち1つの転写因子は心肥大に関与することが最近報告された。一方、これら同定された蛋白とG蛋白との相互作用については報告がなされていない。3)3種類の新規G蛋白活性調節因子はいずれもその生物活性にGα16を選択的に必要としたことから、Gα16の活性調節因子として作用すると考えられた。4)新規G蛋白活性調節因子は、肥大心組織でともに発現が上昇していた。今後は同定されたG蛋白活性調節因子の機能解析をさらに進め、これら蛋白とG蛋白との直接相互作用、活性調節作用、細胞生理機能、心肥大への関与の検討を行いたい。
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