平成19年度は、前年度に引き続き協力が得られる施設で勤務している看護師らとの勉強会を数回持ち、リサーチクエスションの洗練を行った。さらに予備調査を行い、本調査に向けた課題を明らかにした。1.勉強会の継続により得られた知見勉強会を重ねる中で、看護師間の相互作用が浮き彫りになってきた。自由参加である勉強会であったが、そこでは看護師間の上下関係や時間的拘束、業務遂行などのさまざまな組織体制の影響を受けて相互行為が展開されていた。また、そこでは単に知識のあるものが無いものへ一方向的に教えるといった一般的な教授関係とは異なる相互行為が展開されていた。これらは、本研究のテーマと関連する興味深い結果であると考えられた。2.予備調査予備調査として看護師へのインタビューの協力を得て実施した。その結果、まず、看護師らの習得を望む熟練技能というものは、確固たる実在するものではなく個々のもつ表象であることがわかった。しかしながら、OJTとしての技術教育で望むものは、実在するものとして議論されることが多かった。OJTは看護の現場教育において注目されている教育方法であるが、実践の中の教授関係における教育方法との差異についてさらに探求することが課題であると考えられた。
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