研究課題/領域番号 |
18600004
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
高橋 孝明 東京大学, 空間情報科研究センター, 教授 (30262091)
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研究分担者 |
金本 良嗣 東京大学, 経済学研究科, 教授 (00134198)
田渕 隆俊 東京大学, 経済学研究科, 教授 (70133014)
河端 瑞貴 東京大学, 空間情報科学研究センター, 准教授 (60375425)
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キーワード | 輸送費 / 新経済地理学 / 輸送インフラストラクチャー / 輸送セクターの大きさ / 非対称的な輸送費 |
研究概要 |
本年度のおもな実績は以下の通りである。 1 昨年度に引き続き、輸送インフラストラクチャー投資を論じた既存研究を精査した。 2 次いで、輸送費がどのような水準に決まるかを考察した。これまであまり考慮されることがなかったが、一般に、輸送費の水準は輸送の方向によって異なる。それは、輸送の方向によって輸送サービスの限界費用と輸送需要の価格弾力性が異なるため、利潤最大化を行う輸送企業が異なった水準に価格を設定するからである。本研究では、まず、そのメカニズムを明らかにし、さまざまなパラメータが変化したときに輸送費がどのように変化するかを調べた。 3 さらに、その結論を用いて、パラメータの変化が経済地理にどのような影響を及ぼすかを分析した。具体的には、消費における代替の弾力性と輸送企業の限界費用の大小の影響を調べた。 4 続いて、輸送インフラストラクチャー投資が、経済活動の地理的分布にどのような影響を及ぼすか、考察した。輸送インフラストラクチャー投資は、輸送企業の限界費用を低下させることを通じて輸送サービス価格を変化させ、その結果、経済活動の地理的分布に影響する。 5 また、輸送費を貿易費用(trade cost)と捉えると、所与の経済活動が国内のどの地域に立地するかという問題と、国際貿易を行う国々のうちのどの国に立地するかという問題とは、概念的に同じものになる。したがって、輸送インフラストラクチャー投資によって輸送費を下落させる政策は、国際貿易モデルにおいて貿易費用とくに関税を削減する政策と共通の枠組みで分析することができる。そのような観点から、国際貿易モデルとの関連を検討した。
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