研究課題/領域番号 |
18600007
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研究機関 | 京都府立大学 |
研究代表者 |
野口 祐子 京都府立大学, 文学部, 教授 (80128769)
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研究分担者 |
青地 伯水 京都府立大学, 文学部, 准教授 (10264748)
野田 浩資 京都府立大学, 公共政策学部, 准教授 (60250255)
浅井 学 京都府立大学, 文学部, 准教授 (00257817)
WALKER Larry 京都府立大学, 文学部, 准教授 (70381928)
赤瀬 信吾 京都府立大学, 文学部, 教授 (70137074)
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キーワード | 都市論 / 比較文化 / みやこのイメージ / 京都とヨーロッパ |
研究概要 |
本研究では京都とヨーロッパ主要首都のイメージに関して、文学・歴史地理学・社会学・都市保存学の観点から共同研究を行い、20年度は3年間の成果を冊子体の成果報告書にまとめた。その際、特に次の1)〜3)のテーマに重点を置いた。1)「みやこ」のイメージと国民のアイデンティティ○京都とヨーロッパの首都における、国民のアイデンティティを強化するための歴史的空間としての「みやこ」。その意識を反映する演出、首都のブランド化戦略による「創られた伝統」の詳細。○ヨーロッパ諸国間の政治・社会形態の違いからくる「みやこ」に対する意識のずれとブラン化戦略の相違。それらと京都との比較。○京都とヨーロッパの首都において、「みやこ」の意識が視覚的に表現された都市改造や国家的モニュメントの建立といった事業の具体的な考察。それらのイメージやデザイン関する議論に表れた理想の都市像についての様々な見解を、マスメディアや文人達の発言から読み取る。2)保存と開発の理念の葛藤○ヨーロッパにおける古都の姿の保存と、近代的な都市への開発を目指す理念の葛藤、および京都との比較。3)美意識と「みやこ」の姿の関係産業革命以後の社会において、都市の開発への抑止力と創造力という、相反する大きな力なった各時代の「美意識」は看過できない。またその美意識は時代のイデオロギーに影響され、1)で述べた国家のアイデンティティ構築の意図を反映したものでもあった。そこで以下の諸点を明らかにした。○各時代に流行した美意識と首都イメージの関係。○明治時代から京都における、平安京のイメージの意図的複活と、ヨーロッパ都市が備える歴史的積層性を無視した都像の部分的な導入によって、京都のイメージがどのように変容したか。○戦後の京都における近代都市してのイメージと古都としてのイメージの混在。なお。成果報告書は近隣の主な研究機関と図書館に送付した。
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