研究課題/領域番号 |
18601006
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研究機関 | 高知大学 |
研究代表者 |
上田 健作 高知大学, 教育研究部・人文社会科学系, 教授 (90248625)
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研究分担者 |
辻田 宏 高知大学, 教育研究部・人文社会科学系, 教授 (90197690)
鈴木 啓之 高知大学, 教育研究部・人文社会科学系, 教授 (20206527)
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キーワード | 教育学 / 人材育成 / 課題探求力 / 学びの転換 / 総合的な学習 / 主体的学びの姿勢 / 粘り強く考える力 / 学び合い |
研究概要 |
平成21年度は、計画に従って、これまでに開発した学習プログラムを報告書(教科書含む)にまとめた。結果的に、開発してきた3つのプログラムのうち実際に高等学校で活用可能な学習プログラムとして2つのパターンを報告書(『高大連携による総合学習プログラムの開発-自律創造型総合学習プログラムの開発-』)に収めることができた。一つは、既習の知識を活用して社会問題を学習する自作学習ゲームを作成するプログラム(「クリエイティブ・シンキング」)である。いま一つは、地域社会と協働して地域課題の解決案を考える学習プログラム(自律型地域課題解決学習)である。 この2つの学習プログラムは、いずれも、平成21年に改定された高等学校学習指導要領が「総合的な学習の時間」について設定している目標に沿った内容になった。「クリエイティブ・シンキング」プログラムは、すでに4年間のべ120の受講生がいる。この学習は、既習の知識や技法を使って社会問題を学ぶ高校生自作の学習ゲーム(対象は小中高から一般まで)を作成するものである。そのプロセスにおいて教科の枠を超えた横断的・総合的な課題探求・問題解決学習が行われる。「自律創造型地域課題解決学習」は、4年間延べ280名が受講した。地域にある実際の問題の解決に向けて社会と協働して探求的活動を行うものであり、まさに改定された指導要領が目指すところを具体化したものだと言える。 さらに、これらのプログラムは、4年間に及ぶ実践的・臨床的に開発を行ってきたものであり、本研究期間が終了した平成22年度も実際に高等学校において実施されることが決まっている。まだまだ、改良の余地もあるが、この4年間の授業実績、開発にともに取り組んできた現場の高校教員による検証を経ていること、受講した高校生から一定の評価を得ているということから、今後「総合的な学習の時間」の充実を展望する際に手掛かりを提供すると考えられる。
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