研究課題/領域番号 |
18603004
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 島根大学 |
研究代表者 |
堀口 淳 島根大学, 医学部, 教授 (90136317)
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研究分担者 |
稲垣 卓司 島根大学, 医学部, 助教授 (80176388)
新野 秀人 島根大学, 医学部, 講師 (10393430)
宮岡 剛 島根大学, 医学部, 講師 (50284047)
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キーワード | 睡眠時ミオクローヌス / 抗精神病薬 / 錐体外路 |
研究概要 |
18年度の研究機関中に予定通り以下のような検討を実施し、新たな知見を得た。すなわち18年度の研究期間中およびこれまでに我々が実施した終夜睡眠ポリグラフ研究における対象のポリグラフ記録を総括し、統制された分析結果は以下の通りである。 1)抗精神病薬誘発性の遅発性ジスキネジア(統合失調症)、レストレス・レッグズ症候群、レビー小体病、アルツハイマー病の合計10例を今回新たに対象とした研究 (1)睡眠ポリグラフ検査結果所見 10例(遅発性ジスキネジア2例、レストレス・レッグズ症候群2例、レビー小体病4例、アルツハイマー病2例:男性6例、女性4例;平均年齢69.1±11.2歳)を対象に睡眠ポリグラフ検査を実施し、10夜の平均値としての睡眠構造所見は以下のごとくであった。Time in bed 554.5±54.1分、Sleep period time 498.1±54.4分、Total sleep time401.6±74.5分、睡眠効率66.6±43.5%、睡眠潜時29.5±15.6分であり、Sleep period timeに占める各睡眠段階の割合は、Wake 17.67±11.9%、REM6.5±3.1%、Stage1 13.4±11.1%、Stage2 58.7±14.6%、Stage3 1.1±2.0%、Stage4 0.4±0.1%であった。またPLM(睡眠時ミオクローヌス) indexは143.23±212.96であった。 (2)PLMの薬物治療前後の変化 10例中8例に薬物療法を実施し、clonaepam単剤が奏効したものが3例、clonazepam単剤が奏効せずメシル酸ペルゴリドの併用投与が奏効したものが1例、抑肝散投与例1例、鉄剤投与例3例であった。 (3)鉄剤投与例の検討 3例(男性2例、女性1例)の投与前後の睡眠ポリグラフ検査結果を比較検討した。対象の平均年齢(63.5±6.6歳)で、全例で自覚的な症状が軽快し、PLM indexは投与前(122.4±22.1)から投与後(21.5±11.8)へと有意に低下した。 2)健康成人を対象とした研究成績 我々のこれまでの研究に新たな健康成人2例を追加し、合計10例の非内服夜と抗精神病薬であるrisperidone(1mg)内服夜の睡眠ポリグラフ検査に及ぼす影響を検討した。対象は10例の健康成人で、第1夜を順応夜、第2夜を基準夜、第3夜を薬物夜とし、睡眠ポリグラフ検査を実施した。PLM以外のパラメーターの変化は来年度まとめて報告する。基準夜と薬物夜との間で、PLMの変化(Wilcoxonの符号順位和検定:サンプル数=10,z近似=1.49,棄却率(p)=0.1373)はなかった。 3)研究成績のまとめと19年度の課題 鉄剤の投与は遅発性ジスキネジアに奏功し、我々の仮説通りPLMも連動して有意に低下したが、一方健康成人の場合、risperidoneの投与によってPLMが誘発されるといった所見は得られず、19年度も症例数を増加させて検討する予定である。
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