研究課題
基盤研究(C)
本研究では、日本の一般成人におけるむずむず脚症候群の有病率を明らかにし、男女差、及び年齢別の有病率を検討する。さらに、自覚的睡眠問題との関連、その他の身体的訴え、精神的訴えに与える影響を明らかにした。厚生労働省が平成12年に行った保健福祉動向調査における20歳以上の成人26705人を対象として、平成18年度は、むずむず脚症状は、日本成人の3.0%にみられ、男性2.5%、女性3.5%と女性で有意に頻度が高く、高齢になるほど有意に頻度が上昇した。睡眠問題との関連について、多変量ロジスティック回帰分析で解析したところ、入眠困難(オッズ比2.58)、日中過眠(2.28)、中途覚醒(1.71)、熟眠感欠如(1.51)、睡眠不足感(1.36)、早朝覚醒(1.21)の順であった。北米や欧州における疫学データと比較して日本におけるむずむず脚症候群の頻度は低く、関連する睡眠問題としては入眠障害と日中過眠が重要であることが明らかになった。平成19年度は、11項目の精神・身体的不定愁訴とむずむず脚症候群の関連について検討した。抑うつ症状、睡眠問題を調整因子とした多変量ロジスティック回帰分析を行った結果、動悸(オッズ比1.66)、易疲労感(1.39)、背部痛(1.39)、便秘・下痢(1.27)、健康が気になる(1.23)、上腹部不快感(1.23)、肩こり(1.20)がそれぞれ独立してむずむず脚症候群と有意な関連があった。このことは、むずむず脚症候群の症状は睡眠障害と独立して、直接的に身体的愁訴と関連することを示す。本研究で動悸が最も強い関連を示したことはむずむず脚症候群の循環器系への影響を示唆する所見として注目すべきである。
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