研究課題/領域番号 |
18604003
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 千葉大学 |
研究代表者 |
廣瀬 晃一 千葉大学, 医学部附属病院, 助手 (90400887)
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研究分担者 |
中島 裕史 千葉大学, 大学院医学研究院, 教授 (00322024)
渡邊 紀彦 千葉大学, 医学部附属病院, 講師 (20375653)
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キーワード | 気管支喘息 / 好中球性炎症 / IL-23 / IL-17 / IL-17産生性T細胞 |
研究概要 |
気管支喘息の基本病態は気道を場とした慢性アレルギー性炎症と気道のリモデリングであり、その発症にはTh2細胞が深く関与している。しかしその一方で重症喘息患者の気道には好酸球、好塩基球、リンパ球などに加え、好中球の増加と炎症性サイトカインの増加が認められること、さらに好中球性炎症と喘息、の重症度に正の相関がみられることが示されている。 近年IL-12ファミリーに属する新規サイトカインであるIL-23が報告され、好中球性炎症の惹起や遷延化に関与していることが示唆された。またこのIL-23により増殖が促進される新規CD4陽性T細胞サブセットであるIL-17産生性T細胞(Th17細胞)が慢性炎症の発症、維持に重要であることが明らかにされた。しかしアレルギー性気道炎症におけるIL-23/IL-17経路の重要性は依然不明である。そこで本研究では気管支喘息の病態、特に難治化におけるIL-23/IL-17経路の役割を明らかにすることを目的とした。 そして今年度の研究により、1)アレルギー性気道炎症の肺局所においてIL-23の発現が誘導されること、2)肺特異的にIL-23を過剰発現するトランスジェニックマウス(CC10 IL-23Tgマウス)では、アレルギー性気道炎症の増悪、杯細胞の増加、気道過敏性の亢進がみられること、3)CC10 IL-23Tgマウスでは、アレルギー性気道炎症のみならず、好中球性炎症も惹起されること、4)CCIO IL-23Tgマウスでは、肺胞洗浄液中のIL-17、IL-13産生が増加していることを明らかにした。 今後、野生型マウスに抗原特異的TCRを持つTh17細胞を移入する実験系を用いて、Th17細胞がアレルギー性炎症を増悪させる分子機構について解析する予定である。
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