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2006 年度 実績報告書

ヒト造血前駆細胞を標的とした新しい抗アレルギー療法の開発

研究課題

研究課題/領域番号 18604006
研究種目

基盤研究(C)

研究機関九州大学

研究代表者

岩崎 浩己  九州大学, 大学病院, 助手 (20403925)

研究分担者 赤司 浩一  九州大学, 大学病院, 教授 (80380385)
キーワード好酸球 / 前駆細胞 / 転写因子 / アレルギー / Hypereosinophilic syndrome
研究概要

1、ヒト好酸球前駆細胞(hEoP)の鈍化に成功した.抗hIL-5Rαモノクローナル抗体を用いたマルチカラーフローサイトメトリー解析で,健常人骨髄CD34陽性前駆細胞分画の2-4%がIL-5Rαを発現していた.このLin^-CD34^+IL-5Rα^+前駆細胞はcommon myeloid progenitor(CMP)分画の約10%を構成していた.hematopoietic stem cell (HSC:Lin^- CD34^+CD38^-),granulocyte/monocyte progenitor (GMP),megakaryocyte/erythrocyte progenitor(MEP)およびcommon lymphoid progenitor (CLP)の壱分画では,IL-5Rαの発現がmRNAレベルでも認められなかった.好塩基球や巨核球・赤芽球系を合むすべての骨髄系細胞分化を支持するIn vitroコロニーアッセイで,CMP分画中のIL-5Rα^+前駆細胞集団は約20%の効率で純好酸球コロニーのみを形成した.よってここに,Lin^-CD34^+CD38^+IL-5Rα^+IL-3Rα^+CD45RA^-の表面形質を有する細胞集団をhEoPと同定した.IL-3とGM-CSFを含む液体培養では,HSCおよびIL-5Rα陰性CMPの培養中にhEoPが認められ,GMPとMEPはhEoPへの分化能を欠いていた.つまり.hEoPの分化経路はGMPやMEPとは独立してHSC→CMPの下流で分岐していた.
2、Hypereosinophilic syndrome (HES)の3症例を含む好酸球増多症11例の解析では,骨髄CD34湯性細胞分画に占めるhEoPの比率が健常人コントロールと比較して有意に増加しており(7.55% vs. 2.38%,p<0.01),生体内での好酸球造血に同分画が重要な役割を担っていることが示唆された.HES症例から単離したhEoPは,正常hEoPより.大きなサイズのコロニーを形成する傾向が認められ,抗apoptosis分子のひとつであるBcl-X_Lの発現が増強していた.つまり,Bcl-X_Lの高発現がHESにおける好酸球生存強化に寄与している可能性が示唆された.
3、hEoPにおける転写因子・発現をqRT-PCRで他のprogenitor集団と比較検討したところ,hEoPとマウスEoPの発現パターンはほぼ同様であった.つまり,顆粒球・単球分化に必須なPU.1,C/EBPαと巨核球・赤血球分化に不可欠なGATA-1,GATA-2の発現が同時に強く認められる一方、GATAのcofactorであるFOG-1の発現は認められなかった.

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2007 2006

すべて 雑誌論文 (1件) 図書 (1件)

  • [雑誌論文] The order of expression of transcription factors directs hierarchica specification of hematopoictic lineages.2006

    • 著者名/発表者名
      Iwasaki H, et al.
    • 雑誌名

      Genes & Development 20(21)

      ページ: 3010-21

  • [図書] Annual Review 血液2007

    • 著者名/発表者名
      岩崎 浩己, 他
    • 総ページ数
      292
    • 出版者
      中外医学社

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公開日: 2008-05-08   更新日: 2016-04-21  

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