研究課題/領域番号 |
18604008
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研究機関 | 熊本大学 |
研究代表者 |
松本 知明 熊本大学, 大学院・医学薬学研究部, 講師 (30128318)
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研究分担者 |
井上 勲 八代工業高等専門学校, 情報電子工学科, 教授 (00106113)
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キーワード | 牛乳アレルギー / β-ラクトゲロブリン / 牛乳アレルゲン / 低アレルゲンミルク / 通電処理 / 蛋白結晶化 |
研究概要 |
試薬に用いたβ-ラクトゲロブリンにはバリアントAとバリアントBが含まれているが分かったので、陰イオン交換クロマトグラフィーによって各バリアントを分離精製した。すなわち、6mlカラムを75mM NaClを20mM Tris-HCl(pH8.0)で平衡してβ-ラクトグロブリンを添加し、NaCl濃度を270mMまで上昇させて各バリアントを溶出させた。この操作を120回繰り返し、β-ラクトゲロブリン試薬10gからバリアントA及びBを2.5g採取した。 各バリアントに通電処理を行い、陰イオン交換クログラフィーで、目的とする陰極側32K蛋白の分離精製を行った。すなわち、6mlカラムを75mM アルギニンを含む20mMTris-HCl(pH8.0)で平衡してバリアントAないしBを添加し、アルギニン濃度を500mMまで上昇させて32K蛋白を溶出した、この蛋白を200mM NaClを含む20mM Tris-HCl(pH8.0)で平衡化したSuperdex75に添加し、ゲルろ過クロマトグラフィー行い、ピーク分画を濃縮し、再度ゲルろ過クロマトグラフィー行った。その結果、バリアンAから1mg、バリアントBから1.3mgの収量が得られ、各々非還元SDS-PAGEで高純度に精製されていることを確認した。さらに動的光散乱測定したところ、各々分散性は15%前後で、結晶化に適した蛋白であることが分かった。現在、エックス線構造解析に向けての蛋白結晶化を行っている。なお、この32K蛋白を用いてβ-ラクトゲロブリン特異的IgE吸着試験を行い、低アレルゲン化されていることを確認した。
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