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2007 年度 実績報告書

アトピー性皮膚炎症状の修飾因子の原因遺伝子同定

研究課題

研究課題/領域番号 18604010
研究機関独立行政法人理化学研究所

研究代表者

吉田 尚弘  独立行政法人理化学研究所, アレルギー免疫遺伝研究チーム, チームリーダー (20281090)

キーワードアトピー性皮膚炎 / ENUミュタジェネシス / 飼育環境 / 骨髄キメラ / 皮膚バリア / 血液細胞 / サイトカイン信号伝達
研究概要

ENUミュタジェネシスで見出したアトピー性皮膚炎自然発症マウスモデル(常染色体劣性および優性で疾患発症)において、疾患原因である遺伝子変異のメカニズムと、それに対して飼育環境や遺伝子背景の差が疾患発症の時期や程度に及ぼす影響について検討した。
1.疾患発症の基盤となる突然変異はサイトカイン信号伝達にかかわるある遺伝子の点突然変異であり(特許申請中のために遺伝子名は伏せる)、これによって特定のサイトカイン信号伝達系がin vitroの実験系で恒常的に、あるいは刺激によって過剰に活性化することを生化学的に確認した。
2.このマウスホモ接合体の場合には飼育環境、遺伝子バックグラウンドにかかわらずアトピー性皮膚炎用疾患が発症したが、ヘテロ接合体にした場合には飼育環境の汚染度が高くないと発症しないこと、オリジナルのC57BL/6Jに比較してC3H/HeNと交配したF1では発症頻度が落ちることなどから、C3H/HeN遺伝子背景でこの疾患の発症の修飾因子となりうる領域について、IgE値を基準に遺伝子マッピングによる追跡をおこなったが、場所は同定できなかった。3つ以上の複数の修飾因子の複合によるものと考えられた。
3.骨髄キメラの作成により疾患発症の本態は皮膚環境側にあるが、同一遺伝子変異による血液細胞の活性化が疾患発症と増悪に強く影響することを確認できた。
4.この疾患はC57BL/6J遺伝子背景でSPF環境で飼育した場合、生後7~9週での疾患発症が確認できている。発症前に皮膚で発現するmRNAのマイクロアレイ解析により、皮膚バリアを構成する遺伝子群の発現に大きな変動が確認できた。これらの遺伝子に関してはノックアウトマウスおよびトランスジェニックマウスのコンストラクトを作成した。
以上、4項目について新しい知見を得ることができた。

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公開日: 2011-06-16   更新日: 2016-04-21  

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