研究課題/領域番号 |
18605003
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 北九州市立大学 |
研究代表者 |
松本 亨 北九州市立大学, 国際環境工学部, 助教授 (50274519)
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研究分担者 |
松永 裕巳 北九州市立大学, 都市政策研究所, 助教授 (90305821)
申 東愛 北九州市立大学, 法学部, 助教授 (80382406)
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キーワード | 廃棄物再資源化 / 政策研究 / 施策効果 / 物質フロー / 産業共生 |
研究概要 |
中国の循環経済実現に向けた政策の概況と、試験的取り組みとして指定されているモデル園区に関する政策レビューを行った。特に、生態工業モデル園区に関しては、建設段階(既存、新規建設、仮想)と産業構成(動脈、総合類、静脈)の視点から、既に指定されている16カ所の園区の分類を試みた。 またエコタウン事業の評価、比較を行うための総合的評価フレームを検討した。レジームとアクターとしての「行政」、「民間(企業)」、「その他(市民)」、ライフサイクルフェーズとしての「外部環境」、「立地・運営支援」、「実績」、「波及効果」のマトリクスで各年度の情報を整理し、それを更に時系列で情報を整理するフレームになっている。奥行きは、時間(年代)で分析する方法のほか、エコタウンの発展段階で分析することも考えられるが他地域や他国のエコタウンとの比較のためは後者のほうが適しているといえる。このフレームを用いて、北九州エコタウンと中国青島市の新天地静脈産業園の比較を行った。その結果、新天地にも家電リサイクル工場が稼働しているが、廃家電を集めるための法的根拠、社会システムが整備されていないこと、技術的にも差があること、さらに分別したのちの再資源化・再商品化のしくみがやはり整備されていないことなどを明らかにした。 北九州エコタウンについて「波及効果」に注目し、MFA(マテリアルフロー分析)、LCA(ライフサイクルアセスメント)を行った。その結果、CO_2削減効果で約15万t-CO_2になることがわかった。さらに、企業環境管理の分野で開発・導入が進んでいるマテリアルフローコスト会計を、地域の循環連鎖の評価に拡張するための理論的検討を行うとともに、具体的な基本フレームを開発した。それを北九州エコタウンに立地する廃木材・廃プラスチックリサイクル事業を対象にケーススタディを行い、現状把握と課題抽出、対策評価といった作業が統一的なフレームで実行可能となることが実証された。
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