研究課題
基盤研究(C)
本研究は、北米、ヨーロッパ、アジアおよび日本の学協会の倫理綱領やキャリア支援に関連する組織体制や法制度の調査により、技術者倫理における学協会の役割を明らかにするとともに、技術者倫理を促進する上で望ましい法制度や組織体制について検討することを目的とするものである。本研究では、日米の技術者倫理教科書の包括的なサーベイや、プロフェッショナル倫理と工学倫理の関係の明確化、工学倫理の一般的構造の明確化などを行ったほか、インタビュー調査やウェブ調査、メールによる質問調査などにより、倫理綱領の運用における学協会の制度に関する調査を行った。欧米の学協会に関しては、NSPE(全米技術士協会)、ASCE(米国土木学会)、ICE(英国土木学会)、KIVI NIRIA(オランダ王立技術者協会)の倫理担当者などにインタビューを行い、倫理綱領やヘルプラインの運用の実態と学協会の制度などについて調査を行った。アジアについては、工学倫理や技術者教育の国際化に積極的な台湾の研究者を招聘し、ワークショップを行った。また、日本の学協会に関しては、倫理委員会の設置・倫理綱領の制定状況、会員数および会員構成に関する調査を行った。本研究により、上記欧米学協会における倫理綱領違反に対する懲戒状況、ヘルプラインの担当者の属性や運用の仕方、効果などについて明らかにすることができた。日本については、倫理綱領の制定などの制度的な整備が進んでいることを確認することができた。また、台湾の研究者との意見交換では、アジアにおける工学倫理の展開と技術者教育の国際化、アジア的な価値観との関係などについて検討した。本研究により、倫理綱領を運用する上での学協会の制度設計にとって有益な知見が得られたと考えている。
すべて 2008 2006
すべて 雑誌論文 (4件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (4件)
情報知識学会誌 16(3)
ページ: 4-13
日本工学教育協会平成18年度工学・工業教育研究講演会講演論文集
ページ: 222-223
JSIK Journal 16(3)
Japan Society for Engineering Education, Annual Conference on Engineering Education Research, Koen Ronbunshu (Preprint of Papers)