当初予定通り、平成20年度は前年度に引き続いて講義に関するWebサーバーを完全に運用し、詳細なアクセスログを収集した。さらに、個人情報保護に十分配慮した上で、外部業者にアクセスログ記録の予備解析を依頼し、解析結果データを電子ファイルにて得た。ただし当初、平成20年12月まで解析を委託する予定であったが、業務委託先の(有)いなかどっとコム社が事業統合により新規の解析受注を停止したため、残念ながら、予備解析については同年9月までで終了することになった。 この予備解析データにもとづき、毎講義後の受講生のアクセス状況(人数、講義進度との関係)等を解明し、(1)何ら見返りのない全く自発的なアクセスであるにもかかわらず、受講生の多くがサイトにアクセスしていること、(2)予想通りに講義開始直後のアクセスが多いものの、予想外に中期以降もアクセス数が多いこと、(3)初年次科目よりも3年次の必修科目および教職科目でのアクセスが高率であること等が明らかになった。さらに、受講生へのアンケート調査の実施とその解析により、(4)アクセス者はWebの利用を通じて他の受講生の反応をよく読んでいること、(5)成績中位層より上位層でこのシステムの評価が高く、普段の講義ではなかなか満足できない成績上位層がこのWebシステムを活用、評価していること、(6)動機づけが必要な下位層も、実際にはあまりWebを訪問しないものの、担当者の取り組みを高く評価していること等、本邦初出の貴重な研究結果が得られた。 現在、これらの結果を整理し、順次学会等で発表、公開しているところである。
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