研究課題
基盤研究(C)
本年度は研究開始の年度であり、年度前半は1年次生を対象に予備的調査2種を実施した。ひとつは基本的言語力を診断することを目的とした、文法を中心にしたテストである。もうひとつは標準的・総合的読解力を診断することを目的とした、内容把握を中心とした8回のテストである。この予備調査から、約40%の学生は大学での学修に問題がないが、約20%の学生は読解力にやや問題があることが分かった。40%を占める中間層の言語力向上も今後の課題である。年度後半は、活宇文化に親しむ環境作り、動機付けという視点からの教育プログラムを策定し、試行した。毎週、特定曜日の新聞(朝刊)を読み、関心を持った記事を選んでコメントを書くという課題を、4週間継続して学生に与えた。初回は記事内容を紹介するに留まるものが多数を占めたが、2回目以降漸次、記事の背景を調べたうえでのコメント、疑問を提示するコメントなど、記述内容に変化が現れた。ただ、そうした例はまだ全体の中で多いとは言えない。プログラム終了後に行った学生による評価は概ね肯定的・意欲的なものであり、次年度も継続して参加したいという学生が少なくなかった。これらの成果の一部を第9回アジア太平洋地域聴覚障害問題会議・第40回全日本聾教育研究大会(2006.10.10)、聴覚言語障害研究懇話会2月例会(2007.2.17)等において発表・報告した。
すべて 2006
すべて 雑誌論文 (1件)
Proceedings of The 9th Asian-Pacific Congress on Deafness and 40th Annual Conference of Japanese Deaf Education Association
ページ: 128-129