研究概要 |
1,教育評価が教育成果に与える影響に関するプロセスの検証 これまでの予備調査の分析結果に基づき,本調査の実施と分析を行った。分析によると,成績評価の難易度と学習成果の関連が初年次生と高年次生で異なっており,学習成果の認識は,学習動機のあり方等とも関連が深いものと理解され,初年次教育のあり方などを考える上での示唆を得た。また,形成的評価の実施は授業時間外学習を促すという効果があるものの,学習成果を高めるという効果は確認されなかった(大学教育学会(6月,目白大学)およびIUT(7・8月,英国・グラスゴー)で発表予定)。形成的評価のあり方については,学生の授業への参加意識の向上や特定の知識や技能の向上などに的を絞って,今後より詳細に検討していく。 2,成績評価制度の改変と学生の学習への影響に関する調査 国内外の高等教育機関について,調査を行った。特に,米国のインディアナ大学-パーデュー大学インディアナポリス(IUPUI)を訪問し,Assessment Instituteに参加するとともに,状況調査を行った。その他韓国についても,別途予算により訪問し(高麗大学,KERISなど),ICT活用を中心に基本的な状況把握を行った。これらの調査は,今後の研究成果とりまとめの参考とする。 3,ICT活用教育に利用するコンテンツの拡充 これまでに作成したコンテンツおよび,開発した教育手法について,利用を継続するとともに,その評価・改善を行い,ICT利用に留まらず,実施可能な教育方法改善を検討・実施した(成果の一部は,2008PCカンファレンス(8月,慶応義塾大学)で発表予定)。 また,ICT活用による教育方法と教育効果に関して,信州大学「教育の質保証」プロジェクトと連携し,ICTを教育に利用している教員を中心にアンケート調査を実施し,平成20年度以降の教員を主対象とする調査の準備を行った。
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