研究課題/領域番号 |
18613001
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
柳澤 輝行 東北大学, 大学院医学研究科, 教授 (90133941)
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研究分担者 |
谷内 一彦 東北大学, 大学院医学研究科, 教授 (50192787)
助川 淳 東北大学, 大学院医学研究科, 助教授 (30187687)
佐藤 岳哉 東北大学, 大学院医学研究科, 助手 (10312696)
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キーワード | 薬理学 / 疼痛 / TRPVチャネル / 癌 |
研究概要 |
本研究課題は、神経細胞において疼痛・痛覚情報形成の最終経路にTRPV1と呼ばれるカチオンチャネルが存在するという新しい知見を用い、このTRPV1チャネルの活性を阻害する特異的抗体を作成、応用することにより、難治性癌性疼痛に対する新しい分子治療薬を創生することを最終的な目的とする。まず、TRPV1チャネルを代表とする6回膜貫通型イオンチャネル分子の活性発現に重要だとされるE3細胞外ループドメインに対する特異的抗体を作成するため、免疫原として最小限必要な17アミノ酸を大腸菌の系でインテイン融合タンパク質として発現させ、セルフスプライシング反応により切断し、目的のペプチドを精製した。精製抗原ペプチドをマウスに免疫し、得られた抗血清が上記の大腸菌融合タンパク質を認識することをウエスターンブロット法により確認した。一方、HEK293細胞を使用しマウスTRPV1チャネル発現細胞株作成を試みた。TRPV1チャネルは、細胞培養用培地の温度やpH条件により容易に開口してしまい安定発現細胞株を作成するのが困難なため、エクジソンを誘導物質とする発現誘導細胞株の作成を試み、成功した。この細胞株を利用し、作成した抗TRPV1・E3抗血清が、TRPV1チャネル分子自体を認識するかどうかを確認したところ、大腸菌融合タンパク質を認識する抗体の内、限られた一部の抗体のみがTRPV1チャネル分子を認識する事が示唆された。そのため現在、培養細胞系で発現するTRPV1チャネル分子を特異的に認識する高力価抗TRPV1・E3抗体を入手するため、モノクローナル抗体を産生するハイブリドーマを作成中である。
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