• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2006 年度 実績報告書

脊髄後角における痛覚伝達の可塑性機構に対するCD9の役割

研究課題

研究課題/領域番号 18613018
研究種目

基盤研究(C)

研究機関東京薬科大学

研究代表者

馬場 広子  東京薬科大学, 薬学部, 教授 (40271499)

キーワードテトラスパニン / 痛覚 / 脊髄後角 / TRPチャネル / 後根神経節 / C線維
研究概要

脊髄後角I,II層に集積するCD9の痛覚伝導路における役割を明らかにする目的で、本年度は下記の実験を行った。
1.CD9は脊髄後角でTRPV1受容体と同じ部位に染色される。しかし、シナプスの周囲にはアストロサイトの突起が密集することが多いため、まず、後角でのアストロサイトの分布を明らかにするために、アストロサイト特異的にgreen fluorescent protein(GFP)を発現するトランスジェニックマウス(生理学研究所池中一裕教授から供与)の脊髄でGFPの分布を検討した。結果、この部位ではアストロサイトの細かい突起が密集するためCD9が軸索末端にあるかどうかさらに検討が必要と考えられた。そこで、CD9とTRPV1受容体が同じ後根神経節細胞に発現しているかどうか摘出後根神経節を用いて免疫染色した。後根神経節ではCD9は衛星細胞に強発現するが、一部の神経細胞でも発現することが確認された。2重染色の結果、TRPV1受容体陽性細胞でCD9が発現していた。
2.初期の計画ではHEK293細胞などの株化細胞にCD9、TRPV1などの複数の遺伝子を発現させる予定であったが、発現量の割合が複合体形成に影響する可能性があるため、後根神経節細胞の分散培養系で検討するための準備を行った。分散培養系でもCD9およびTRPV1が同じ神経節細胞に発現していることを確認した。1)および2)の結果から、今後摘出あるいは培養後の後根神経節を用いてこれらの関係を調べることにした。
3.CD9は、膜タンパク質のみでなく、GqやPKCなどの細胞内シグナル分子とも細胞外シグナル依存的に結合することが知られている。脊髄後角のCD9の集積部位でGqおよび一部のPKCサブタイプの集積が見られたことから、これらとCD9やTRPV1の関係に関しても来年度中に明らかにする予定である。
これらの結果に関して、現在論文作成準備中である。

URL: 

公開日: 2008-05-08   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi