研究課題/領域番号 |
18613020
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 愛知医科大学 |
研究代表者 |
熊沢 孝朗 愛知医科大学, 医学部, 教授 (20022775)
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研究分担者 |
本多 たかし 福島県立医科大学, 看護学部, 教授 (20165608)
橋本 辰幸 愛知医科大学, 医学部, 助手 (80367763)
大石 仁 愛知医科大学, 医学部, 助教授 (00252461)
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キーワード | 慢性痛 / 痛み / 筋障害 / 免疫組織 / 動物モデル / 自律神経 / 脊髄 / グリア |
研究概要 |
開発した2種類の運動器障害性の慢性痛症モデルラットを用いて研究を実施した。 1)病態のシステム面からの解析 筋複合刺激モデル(片側腓腹筋へLPS2μg/kg+高張食塩水処置)において3週齡の若齢ラット群では長期の痛覚増強を起こさなかった。このことから慢性痛症発症には、成熟に伴って発達してくる神経系の要素が関与していることが示唆された。 筋複合刺激モデルにおいて急性期の坐骨神経ブロックが長期の痛覚増強を減弱させたが、筋不動化モデル(片側下肢を2週間ギプス固定)では減弱群と非減弱群に分かれたため、ブロック処置の時期に着目し、時期を振り分けて現在検討している。両モデルで急性期にminocycline(マイクログリア活性阻害薬)処置、エダラボン(活性酸素スカベンジャー)処置を行ない、現在検討をすすめている。また、予備実験において急性期の運動(トレッドミル)処置がその後の痛覚増強を減弱させる傾向にあった。これらのことから、障害後の短期間に慢性痛症発症に関わるイベントが起こっていることが確実に予想できた。 病態と自律機能の検討として、筋不動化モデルにおいて体内留置式血圧プローベを埋め込み、経時的および刺激に対する反応を記録し、正常群との比較を行なった。ギプス固定中に交感神経活動の亢進状態が見られ、固定除去後に交感神経活動が低下していることが示唆された。 2)形態学的および分子レベルからの解析 筋複合刺激モデルにおいて慢性期の痛み亢進群と抑制群の間に局所傷害筋には差がなかった。急性期および若齢ラットにおいて、さらなる検討をすすめている。 筋不動化モデルで各時相におけるグリアの活性を免疫組織学的に測定・解析した。現在、痛み行動の変化とグリアの活性を詳細に比較検討している。また、脊髄におけるERK活性も測定した。
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