研究課題/領域番号 |
18630012
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研究機関 | 佐賀大学 |
研究代表者 |
稲岡 司 佐賀大学, 農学部, 教授 (60176386)
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研究分担者 |
渡辺 知保 東京大学, 大学院医学系研究科, 教授 (70220902)
永野 恵 熊本大学, 大学院医学薬学研究部, 講師 (10136723)
牛島 佳代 福岡大学, 医学部, 助手 (10336191)
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キーワード | バングラデシュ / 地下水 / 砒素汚染 / 安全な水 / 知識 / 意識 / 行動 / アンケート調査 |
研究概要 |
バングラデシュの地下水砒素汚染は1993年に公式に認められ、砒素患者も翌年公認されたが、今でも全国民の約30%にあたる約4000万人が「危険水準(50ppb)」の濃度以上の砒素に汚染された地下水を飲んでいる。これによる潜在的および将来的な健康影響は計り知れないが、この影響を最小限にくい止めるためにはバングラデシュの人々に「安全な水」をいち早く提供することが急務である。一方で、提供された「安全な水」が人々に受け入れられるかは、彼らが「水」そのものに持つ知識・意識が非常に重要で、それに加えて、砒素で「汚染」された地下水に関して持つ知識・意識と、実際に砒素で汚染された地下水に対して取っている行動がキーとなるため、これらの関係を詳細に調査することが緊急に必要と考えられた。 本研究では、バングラデシュで最初の砒素患者が認められた地域(ナワブガンジ)と、砒素のみならずさまざまな情報の多い都市周辺(ダッカ)、および比較的情報の少ない農村部(ダウドカンディ)の3箇所で、砒素汚染と飲料水を転換することに関するアンケート調査を実施し、1)人々の「水」そのものに持つ知識・意識、「地下水の砒素汚染」に関する知識・意識・行動を明らかにする中で、2)彼らにとって「安全な水」とは何かを明白にし、これを得るために努力している個人あるいは集団の実態を把握して、3)国として代替水源を表層水に転換することに対する人々の反応をあらかじめ予測しようとした。バングラデシュの政治事情により、本調査は2006年8月と2007年3月の2度に分けて行い、現在その結果を分析中である。
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