研究課題
本研究の目的は、東南アジアの先住民であるフィリッピンのネグリト集団の起源と適応進化を解明するプロジェクトの立ち上げ準備をすることにある。そのため、1970年代以降わが国に保管されているDNA試料の管理・利用、関連するアジア・オセアニアの諸民族集団に関する各種DNAデータベースの作成・分子系統分析等の実施方法を策定した。研究打ち合わせのための班会議は、平成18年6月28日(第1回:葉山にて)および平成19年2月18日(第2回:三島にて)に開催した。また、平成18年11月3〜5日に高知工科大学にて開催された第60回日本人類学会大会にて、ネグリトを含むアジアの先住少数民族に関するシンポジウムを実施し、尾本・平井・数藤は「アジア・オセアニアの先住民:遺伝的起源から人権まで」と題する報告を行った。このシンポジウムのために、フィリッピン大学の人類学者F.Datar氏およびネグリトの人権問題にかかわる法律家C.Wyda氏の両氏を招聘し、ネグリト集団の現状および人権等に関する問題について報告・討論を行った。なお、ネグリトのDNA試料は1970〜80年代に採取された古い試料で、今まで班員のもとに暫定的に保管されていたものである。これを今後の研究に用いるため、現行の倫理規定等に合せて、いかに保管・管理・運用するかを検討した結果、現在、総合研究大学院大学・葉山高等研究センター内に倫理審査委員会の設置を申し入れている。
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