対象プログラムとその実行プロファイル・実行トレースから再利用・投機が適用可能な部分計算区間を見出す適用性解析ツールの設計と、適用後のプログラムの性能推定ツールの部分的な設計を以下の手順で行った。 (a)これまでの研究経験から再利用・投機の有効性が確認されているプログラムを対象に、その挙動を詳細に解析して適用すべき部分計算がどのような性質を持つかを調査し、それらをプログラマ知識により指示するための簡便な枠組みを検討した。 (b)上記の結果と、適用対象区間を動的に定めるための情報として、どのようなプロファイルや実行トレースが有用であるかを検討に基づき、適用性解析ツールを設計した。 (c)再利用・投機が成功したときの効果や、適用のために必要なオーバヘッドなどの性能パラメータが既知であるという前提で、性能推定ツールを設計した。 (d)実際に再利用・投機を行う機構を対象プログラムごとに人手で設計し、適用性解析ツール・性能推定ツールの性能等を評価する。ここで用いる対象プログラムには、有効性が既知であるもののほか、有効であると推測されているが現状では適用困難とされているものも含め、手法の適用性を幅広く評価した。
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