研究課題
本年度は、メガ・ソフトウェア工学の考え方に基づいて、多数のソフトウェア開発プロジェクトを分析する課題について取り組み、主として、以下のような成果を得た。ソースコード中のコードクローンを分析するためのツールとしてCCFinderがあり、国内外で広く用いられている。しかし、CCFinderは単一の計算機上で動作するため、その分析能力には限界がある。また、超大規模なソースコード分析を行う際には、分析対象となるソースコード自体を効率良く管理するための枠組も必要となる。そこで、CCFinder自体には手を加えることなく、約80台の計算機を用いて分散処理環境を構築し、分散環境上でCCFinderの分析を分散処理化するための手法の検討を行い、それを実現したシステムDCC-Finderを作成した。この分析によるクローンの検出結果は、対象となるソースコードが超大規模なものであるが故に膨大となるため、より抽象度の高い形でクローン分析結果を視覚的に表現する手法も実装した。D-CCFinderを数千ものオープンソースソフトウェアに対して適用した結果、4億行のソースコード中に存在するクローンを約2日で計算することに成功した。このシステムを用いることにより、ソフトウェアプロジェクト間でのコードクローン分析を高速に行えることが確認された。また、今後、ライセンス違反等といったソースコードの字面では一般に判断しにくい問題に対しても非常に効果的であると考えられる。
すべて 2007 2006
すべて 雑誌論文 (2件)
情報処理学会69回全国大会講演論文集
ページ: (5M-7)
電子情報通信学会技術研究報告(SS2006-68) Vol.106,No.427
ページ: 19-25