研究課題/領域番号 |
18650006
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
井上 克郎 大阪大学, 大学院・情報科学研究科, 教授 (20168438)
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研究分担者 |
松下 誠 大阪大学, 大学院・情報科学研究科, 准教授 (60304028)
石尾 隆 大阪大学, 大学院・情報科学研究科, 助教 (60452413)
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キーワード | コードクローン / 分散処理 / ソフトウェアライセンス / メガ・ソフトウェア工学 |
研究概要 |
本年は、メガ・ソフトウェア工学の考え方に基づいて、多数のソフトウェア開発プロジェクトを分析する課題について取り組み、以下のような成果を得た。 ソースコードクローンを分散処理環境上で検出するためのシステムD-CCFinderを用いて、実際に大規模なソフトウェアを対象とした分析を行い、その結果について考察した。まず、FreeBSDオペレーティングシステムに付随するフリーソフトウェア集合(ソフトウェア総数6658、合計4億行)に対して適用した結果、多数のソフトウェア中に特定のソフトウェアの部分集合が含まれていることを定量的な形で明らかにすることができた。 次に、これまでリリースされた全バージョンのLinuxオペレーティングシステムを対象として、D-CCFinderを用いた分析を行った。その結果、各リリース毎に加えられた修正量が一定ではないことや、安定バージョンでは変更量が少ないこと、また、開発方針の変化によって、安定バージョンであっても時期によって修正量が多くなる場合や少なくなる場合などがある、ということを定量的に示すことができた。 また、大量のソフトウェア集合を対象として、そのライセンス条項を効率的に発見し、どのソフトウェアがどのライセンスの下に配布されているかを判定するためのアルゴリズムについて考察を行った。その結果を元に、分散環境下でソフトウェア中のライセンスを発見する手法について検討を行った。この手法は、同種のライセンスを持つソフトウェアをCCFinderを用いて検出し、D-CCFinderと同様の実行基盤を用いることによって容易に実装できるようにした。
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