研究概要 |
都市は一つの生命体(有機体)と見なすことができる.実際,都市は,時代とともに自律的に変化して行くものであり,人工物であると同時に自然現象としての側面も備えている.このような観点に立って都市を捉え、都市計画や環境計画におけるコンピュータの応用可能性を拡げることを目標において研究を実施した. まず,都市は複雑系(complex system)の一つであると推察されるので,局所的な相互作用に基づいた経済モデル化を構築し,衰退や発展などの都市の各種現象を視覚的に再現することを試みた。具体的には、住宅地・商業地・低開発地等の土地分類の上に経済指標を被せたダイナミックモデルを実装し、シミュレーションを行った。このように,都市生成に,時間的要素・都市モデル・自律性の概念を導入し自動生成するというアプローチによるシステムを開発した。 以上により、都市の自動生成,都市の時間的変遷のシミュレーションのための技術およびシステムにの開発という初年度の目標を達成した。具体的には、(1)都市を創成の場とするべき地理的環境データを与えると,そこに指定したチューニングパラメータに従った仮想都市が生成される、(2)与えられた仮想都市に対して,経済指標などのチューニングパラメータを与えると,自律的に時代変遷が進行していく。 加えて、本年度の後半では、(1)生成した仮想都市の中を自転車に乗ってウォークスルーする仮想環境の構築、(2)仮想都市内での交通流のシミュレーションを行う初期システムの開発をスタートした。
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