画像処理プログラムで広く重要視されている画素という考え方は、人間の脳内のパターン認識過程には存在しない。また人間は自分に危険がないときには、非常に雑な認識を行い、脳を休ませる一方、有用な場面(危険が近づくなど)で、脳をフル稼働させている。人間と計算機のパターン認識に於ける解像度の扱い方の違いへの疑問。この疑問が新しいプログラミングパラダイムへの着想の始まりである。 この解像度を意識しないプログラミングパラダイムを画像処理に適用、以下の2種類のアプリケーションの適用について検討を行った。まず擬似実時間動画像処理環境およびストリーミングAPIの開発を行う。さらに、開発したストリーミングAPIを元に、動画像処理に於ける省電力プロセッシングアーキテクチャの提案も行う。18年度は以下の点について検討を行った。 1.解像度非依存動画像処理用STLの仕様検討:既に提案されている2次元画像処理用のSTLの仕様を調査した後時間軸を加えた動画像処理に適したSTLの検討を行った。 2.解像度非依存動画像処理記述言語の仕様検討:STLだけでは十分な動画像述能力を持った環境を提供することが困難であるため、C++言語を基本とした動画像処理への言語拡張を行った。
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