本研究では、通常の画像処理プログラミングで定義する必要のある画素という考え方を排除した新しいプログラミングパラダイムの提案を行った。その目的として以下の2点がある。(1)解像度非依存なプログラムとすることにより、解像度を実行中に変化させることを可能とする。従って、1フレームごとに解像度を変更することにより、計算必要量を動的に変動させることを可能とした。その結果他のプロセスによるCPU負荷が存在しても、1フレームを処理する際に十分な計算時間を確保することが可能となり、リアルタイムOSではない、通常OSでも疑似的なリアルタイム処理を実現した。(2)本来の認識処理に関係しない背景などの処理解像度を低下させることにより、計算必要量を減らすことが可能となり、結果的にCPUクロックを動的に制御することが可能となり、総電力量の低減を実現した。 具体的には、まず動画像非依存型画像処理ライブラリRavioliを開発し、顔検出を含む種々の動画像アルゴリズムを実装し、記述の能力と処理速度の検討を行った。さらに、画像中の一部分を動的に選択し、その部分の解像度を変化させる解像度変更リフレクションモデルの検討も行うと同時に、解像度変更に対応した動画像ビューアの開発も行い、有効性を確認した。
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