研究課題/領域番号 |
18650030
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研究機関 | 東京工業大学 |
研究代表者 |
寺野 隆雄 東京工業大学, 大学院総合理工学研究科, 教授 (20227523)
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研究分担者 |
山田 隆志 東京工業大学, 大学院総合理工学研究科, 助手 (90401570)
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キーワード | ケースメソッド / ゲーミングシミュレーション / ソフトウェアエージェント / 分散人工知能 / 機械学習 / 計算組織理論 / 複雑適応系 / インターフェイス |
研究概要 |
本研究では、体験型学習手法であるケースメソッドとゲーミングシミュレーションを融合し、ソフトウェアエージェント、人間の参加者がともに学習可能な環境を提供することによって、新たな教育・実験環境を構築することを目的としている。具体的には、(1)マルチエージェント学習に新たな手法を提供すること、(2)ケースメソッドとゲーミングシミュレーションを超えた新たな体験型学習方法を確立すること、(3)社会・経済・組織に関連する複雑現象について、共通に利用できる実験環境を実現すること、を目標としている。 平成18年度は、まず学習工一ジェントを含むエージェントシミュレータ、つまり学習分類子システムを利用したエージェントシステムや強化学習などの動的な環境に適用的に学習可能な方式を採用した。参加型シミュレーションの場合は、通常の機械学習と異なり、長期間にわたる均一な学習データを得ることが不可能である。ここに本研究の理論的な難しさが存在する。これに対して、概念学習の枠組みを放棄し、逐次的に適応する反射型工一ジェントを中心とした仕組みの実現を試みた。 同時に、ケースとゲーミングの分析、ここではケースとゲームとを結合する参加型シミュレーションの方法論を開発した。本研究項目は、我々が携わってきた仮想市場実験U-MARTなどの研究成果と筑波大学などで実践しているビジネスモデリング・ビジネスゲーミングの成果を取り入れることで、人間プレイヤが中心となるゲーミングシミュレーションは比較的容易に実現することができた。 これらの研究の実施により、ゲーミングシミュレーションの長所である動的な環境の変化に対する柔軟性を活かすことが達成された。また、短所である現実の状況からの乖離に対しては、ケースメソッドの長所である、現実のケースに基づいた記述によって対応できるようになった。
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