研究概要 |
本研究の目的は,形状記憶合金を複数本同時制御可能な小型分散筋駆動モジュールを構成し,そのモジュールを複数組み合わせることで,超多自由度の人工筋肉駆動型ロボットの構成法への見通しをつけることである.本年度は,形状記憶合金制御のための小型モジュール開発と,それに統合される分散感覚処理モジュールの開発,更に,実際に開発した小型制御モジュールを用いた拮抗筋の剛性制御を実現した. 1)多数の形状記憶合金の抵抗値制御のための小型モジュール開発 多数の形状記憶合金を抵抗値により制御するための超小型基板の回路設計,試作を行い,実際に,24.6mmx26.7mmイズで48ch駆動可能な形状記憶合金の制御,駆動モジュールを開発した. 2)分散感覚処理モジュールの小型化と形状記憶合金駆動モジュールとの統合 形状記憶合金の抵抗値制御モジュールを統合するための,分散感覚処理モジュールとして,携帯電話用小型カメラを利用した超小型視覚処理基板の試作,開発を行った.また,ロボットの自律行動を可能にするためにバッテリ充放電回路とBluetooth無線通信モジュールを搭載した制御基板の開発を行った. 3)抵抗計測に基づく拮抗筋剛性制御 上記1)で開発した超小型制御モジュールを利用し,センサレス制御による形状記憶合金で腱駆動ロボットの腱を拮抗配置し,形状記憶合金の抵抗値制御による3自由度関節の剛性制御を実現した.また,この超小型制御モジュールおよび,2)で開発した超小型視覚処理基板を搭載した拮抗筋駆動による自律移動ロボットシステムの試作設計を行った.
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