研究概要 |
1.人間の優美な手動作データの取得 本研究では,人間の動作データの取得による解析がその基礎となるため,被験者にとって大きな拘束感を与えることなく,また正確な(フレーム落ちや,隠蔽などによる情報の欠落のない)データを取得する必要がある.そのため,今年度は人間の優美な手(腕を含む)動作の計測系構築を中心に研究を進めた.手(指の各関節角度,手首の姿勢)だけや腕(全身の主要な関節位置)の運動をそれぞれ別に取得するシステムはこれまでに多く研究されて来たがこれらを同時に確実に取得するシステムや手法が確立されていなかったため,様々な手法を試してきた.光学式モーションキャプチャシステム単独では,手動作時のオクルージョンが多く発生し簡便にかっ正確に手指と腕部の動作データの取得が困難であることがわかった.次に情報の欠落が発生しにくい機械式モーションキャプチャシステムとデータグローブでのデータ取得の試みも行ったが,計測可能な動作の制限が大きく,目的の動作が計測できないこともわかった. 最終的に本研究でのモーションデータ取得システムとして,光学式モーションキャプチャシステムとデータグローブの組み合わせに決定し,それらの取得結果を3DCGキャラクタにマッピングさせ評価を行う環境を整えた. 2.優美さの定量的解析 動きの解析を行う準備として,3DCGソフトウエアを用いて人間の全身動作を解析する予備実験も行った.全身の自由度を一つ固定して動作を行ったCGを見せ観測者がどのように感じるのかをアンケートにより定性的に評価した.予備実験から印象評価の際には,どのような評価項目が重要なのかがわかった.この予備実験に関しては,5月のROBOMEC2007で発表予定である.
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