研究概要 |
1.研究室内に収集した脳腫瘍ライブラリーの中から、検索症例の選択とその臨床病理学的解析を行った。一部の形態情報の病理学的解析には独自に開発した画像解析ソフトウエアも用いた。症例の病理学的特性について、学会発表または論文発表を行った。(Ohishi T, et al.,2006;Sasaki A, et al.,2006;中里ら,2007;Kinjyo S, et al.,in press)。 2.Pilocytic astrocytoma (PA)の構成細胞に関する解析を行ない、PAではdiffuse astrocytomaとは異なり、GFAP陽性細胞のみならず、0lig2やIba-1抗原を発現する細胞が腫瘍を構成していることを示した。しかも増殖能を保持している細胞は、0lig2やIba-1抗原を発現する細胞に多いことを明らかにし、これらの成果を学会発表(田中ら,2006)するとともに、論文発表準備中である。 3.Low grade gliomaにおける1p,19qのloss of heterozygosity (LOH)をfluorescent in situ hybridization法を用いて解析し、従来のdiffuse astrocytomaとoligodendrogliomaのいずれにおいてで両者のLOHが存在することがあり、免疫組織化学的所見の共通性とともに考察して、これらが近縁の腫瘍であるかあるいは共通の母細胞から由来する可能性が高いことを明らかにした。これを学会発表、論文発表準備中である(金城ら,2007)。 4.膠芽腫におけるEGFR遺伝子増幅と組織内局在との関係を検討し、膠芽腫細胞の浸潤様式を明らかにした(Miyanaga T, et al.,in press)。
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