研究課題/領域番号 |
18650120
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
春名 正光 大阪大学, 医学系研究科, 教授 (20029333)
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研究分担者 |
林 直人 東京大学, 医学部附属病院, 講師 (10261992)
近江 雅人 大阪大学, 医学系研究科, 助手 (60273645)
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キーワード | 光コヒーレンストモグラフィ / ダイナミックOCT / 動態機能検出 / 末梢血管系 |
研究概要 |
本年度は高速OCTとして、PZT光ファイバ位相変調器を用いたタイムドメイン(TD)OCTに加えて、新たに光波長掃引レーザを光源とする光周波数掃引型OCT(SS-OCT)の試作を行った。TD-OCTではフレーム間隔0.1秒オーダーのイメージングが可能で、また後者のSS-OCTではイメージデータ取得時間<20msを目標にしている。 1.既存のTD-OCTに加えて、光波長掃引レーザを用いたSS-OCTを試作した。光源の中心波長は1.3μm、波長掃引周波数は20kHzである。これは2000ライン/秒の走査能に相当し、OCTイメージデータ取得時間は20msを実現した。 2.心拍に同期して、フレーム間隔1秒でイメージが取得できるダイナミックOCTを試作した。この装置はレンズの集光効果を利用して表皮下2〜3mmの位置を始点にして、さらに深部までを走査・イメージングする深部OCTの機能を備える。 3.年齢別にヒト指細動脈の収縮期と拡張期をイメージングしてデータを蓄積した。20才代の細動脈の収縮率を基準にして、加齢による血管収縮率を計測し、血管老化を示唆した。 4.皮膚の末梢血管は体温調節のために、収縮と拡張を繰り返す。実験では、下肢加温時における細動脈の拡張の様子を捉えることができ、体温調節に関わる皮膚交感神経活動をイメージングすることができた。 5.波長1.3μm超広帯域光源を用いて、イメージ空間分解能3.5μmを達成し、生体皮膚組織のin vitro OCTイメージを取得した。この結果をもとに、細動脈壁の厚さ計測に応用する。
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