研究課題/領域番号 |
18650125
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研究機関 | 奈良県立医科大学 |
研究代表者 |
清水 壽一郎 奈良県立医科大学, 医学部, 准教授 (80294403)
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研究分担者 |
高木 都 奈良県立医科大学, 医学部, 教授 (00033358)
毛利 聡 岡山大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 講師 (00294413)
中村 一文 岡山大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 助教 (10335630)
米谷 芳枝 星薬科大学, 付属研究所, 教授 (10231581)
片岡 則之 川崎医療福祉大学, 臨床工学科, 准教授 (20250681)
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キーワード | 非ウイルス性遺伝子ベクター / 心筋特異性 / 経静脈投与 / バイオサーファクタント / リポソーム |
研究概要 |
本研究における最大の特色は心筋選択的非ウイルス性遺伝子ベクターの確立にある。一般に臓器特異的に遺伝子導入を行う場合、侵襲的に局所注入が選択されることが多い。また肺、肝臓などでは全身投与によっても比較的高率な遺伝子導入が確認されるが、心筋では局所注入によってさえ遺伝子導入効率の改善は困難である。ベクターに臓器選択性を付加するには標的臓器に特異的なリガンドを足がかりにすることが有効であるが、残念なことに心筋に特異的なリガンドはほとんど無い。現状を打開するため、別のアプローチによる遺伝子ベクターの開発が望まれている。 分担研究者米谷芳枝氏はリポソームにバイオサーファクタントを付加した非ウイルス性遺伝子ベクターの開発を推進しており、共同研究に備えた予備的実験により、経静脈投与での心筋選択的なリポソーム候補がいくつか見いだされている。バイオサーファクタントは、細菌や酵母により産生される界面活性物質であり、通常の界面活性物質と比べ、i)低濃度での大きな界面活性、ii)穏やかな作用と長い持続時間、iii)高い分子集合能と液晶形成能、iv)生理活性作用、などの特徴を有する。特に生理活性については単独で腫瘍の増殖抑制能、分化誘導能を示すなど、創薬の基質としての可能性も秘めている バイオサーファクタントによる心筋選択的リポソームについて、経静脈投与による遺伝子の導入効率を評価したところ、肝臓、肺への導入効率は高いが、心筋組織に対する遺伝子導入効率についてはロットによりかなりの差があり、今後も研究を継続する必要がある。
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