研究課題/領域番号 |
18650131
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
丸山 厚 九州大学, 先導物質化学研究所, 教授 (40190566)
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研究分担者 |
狩野 有宏 九州大学, 先導物質化学研究所, 助手 (30403950)
山吉 麻子 九州大学, 先導物質化学研究所, 特任助手 (70380532)
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キーワード | バイオコンジュゲート / 肝類洞内皮細胞 / ヒアルロン酸 / 免疫寛容 / 抗原提示 |
研究概要 |
肝類洞内皮細胞(LSECs)は抗原提示能を有し、提示抗原に対し寛容を誘導するという報告がなされている。しかし、肝臓は肝実質細胞の他にクッパー細胞や星細胞、そして肝類洞内皮細胞などの非実質細胞群からなり、互いに密接な連携を保ちながら恒常性を維持している。こうした環境下で効果的な抗原特異的免疫寛容を誘導するには他の抗原提示細胞の取り込みによる過剰な免疫応答の惹起を防ぎ、肝類洞内皮細胞特異的な抗原タンパク質のデリバリーが必要であると考えられる。我々は、肝類洞内皮細胞がヒアルロン酸(HA)レセプターを発現していることに着目し、肝類洞内皮細胞を標的とする送達担体としてHAを一成分とするバイオコンジュゲート体の調製をしてきた。そこで本研究では、抗原タンパクとHAのバイオコンジュゲート体の調製を行い、肝類洞内皮細胞への取り込み、及びコンジュゲート体投与による免疫応答を評価した。 コンジュゲート体の作製ではHAの導入率の異なるもの、HAの鎖長の異なるものを得た。これらのコンジュゲート体を蛍光修飾し、マウスより分離・精製した肝非実質細胞画分に添加し、蛍光顕微鏡観察を行った。OVAはクッパー細胞に取り込まれるのに対し、HA-OVAは肝類洞内皮細胞へ取り込まれることが確認された。このことからHAを結合させることで抗原タンパク質を選択的に肝類洞内皮細胞へ取り込ませられると考えられる。
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