研究課題/領域番号 |
18650150
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
北原 格 筑波大学, 大学院・システム情報工学研究科, 講師 (70323277)
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研究分担者 |
大田 友一 筑波大学, 大学院・システム情報工学研究科, 教授 (50115804)
中村 亮一 東京女子医科大学, 医学部, 助教 (30366356)
亀田 能成 筑波大学, 大学院・システム情報工学研究科, 准教授 (70283637)
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キーワード | リハビリテーション / 複合現実感 / コミュニケーション支援 / 仮想鏡像 / モーショントラッカ / MRミラー |
研究概要 |
今年度は、前年度構築した身体動作及び個人識別システムを用いて、リハビリテーション中の患者に骨格や臓器といった身体情報の複合現実感提示を行う方式の開発を推進した.特に、患者と医療スタッフ間で円滑なコミュニケーションが可能になり、効果的にリハビリテーションを行うことが可能な仕組みの実現を目的とした.従来複合現実空間の提示に用いられている、HMD(ヘッドマウントディスプレイ)にはユーザの視野が狭くなる・運動範囲が制限される、ビデオプロジェクタを用いる方式には3次元物体とのインタラクションができない、といった問題が存在するため、リハビリテーションへの応用に適していない.我々は、鏡面に映っている実世界の見え方に対して仮想世界を重畳する仮想鏡像技術を用いて、リハビリテーションに適した複合現実感提示技術「MRミラー」を開発した. MRミラーは、大型液晶モニタの表示面上にハーフミラーを重ねたものである.患者には、ハーフミラー上に写る自身の像と、ハーフミラーを透過してくる仮想の像が提示される.実鏡像と仮想鏡像の幾何を一致させることにより、あたかも鏡を介して仮想世界を観察しているような感覚を得ることができる. 患者は裸眼でMRミラーを観察するため提示用装置を身につける必要がない.また、鏡越しに自身の周りに仮想物体が存在しているような映像を観察することが可能であり、体を使ってそれらを操作することができる.リハビリテーション作業において重要な患者の全身像は、自然現象である鏡面反射によって生成・提示されるため、計算処理を一切行う必要がない.また、鏡による観察は、日常生活で広く親しまれているため、直感的なインタフェースとして、患者と医療スタッフ間で円滑なコミュニケーションの実現に貢献することが期待される.
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