研究課題/領域番号 |
18650158
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研究機関 | 川崎医科大学 |
研究代表者 |
仲本 博 川崎医科大学, 医学部, 助手 (10299183)
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研究分担者 |
矢田 豊隆 川崎医科大学, 医学部, 講師 (00210279)
小笠原 康夫 川崎医科大学, 医学部, 助教授 (10152365)
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キーワード | 微小循環 / 腎糸球体 / 糸球体濾過量 / 糖尿病 / 過濾過 / 蛍光色素法 |
研究概要 |
糖尿病と心臓病の関連は深く、糖尿病の末期には動脈硬化の合併をみる。心臓リハビリテーションの認知度は未だ低いが、すでにこれは急性心筋梗塞、狭心症発症後や開心術後の人達に一部の病院にて行われている。我々は心臓病だけでなく糖尿病の早期からの心臓リハビリテーションの意義と可能性を探ることを目的とする。運動療法が心臓病や糖尿病の治療の一環であることは広く知られている。従来の運動療法だけでなく、併せてC-peptideというインスリンと一緒に血中に分泌されるペプチドがヒトの心機能に及ぼす影響を、調べることを本研究の新機軸とする。研究の全体構想としては、今後の展望にも等しいが、C-peptideが、1型糖尿病患者を利する心機能改善能を有することが判明すれば、今後の糖尿病治療が変わり、1型糖尿病のインスリン治療の際に、C-peptideも一緒に投与すべきであることを意味する。また、早期からの運動療法が糖尿病では心機能改善維持のために取り入れられるようになるであろう。最近我々は、C-peptideの心臓自律神経系の改善作用を報告している(Peptides,2005)。こういった点から主に血流と自律神経が関わるということで、心臓リハビリテーションが心機能を改善するメカニズムを実証出来る可能性がある。実際にラットを用いた今年度のパイロットスタディー(n=4ずつ)では、糖尿病ラットの冠動脈において、NOの産生が低下しており、C-peptideの投与によって、心電図上でのR-R intervalのvarienceが増加し、腸間膜動脈における反応性充血時の血管径変化から考えられる予備能の改善が示唆されたことから、今後はこのデータの信憑性を確立するよう努力したい。
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